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遺産承継は次のような流れを踏んで行います。
■遺産承継業務の流れ
①遺産承継業務の依頼と相続人の確定
原則として相続人の全員から依頼を受け、その上で戸籍謄本を収集して相続人を確定し、これに伴ってそれぞれの法定相続分を確定します。
②財産調査
財産調査とは、遺産承継業務に必要な、遺産や負債の調査、遺言の有無に関する調査などを行うことをいいます。具体的には、次のような調査を行います。
市町村区役所では、戸籍を調査します。また、金融機関では、現存証明や預貯金の残高証明の調査を行います。不動産については登記記録、名寄帳・評価証明書を取得・調査します。この他にも、負債の調査や公正証書遺言の検索などを行い、相続の対象となる財産の全体像を把握します。
③相続財産の具体的配分
民法の規定により、法定相続分に従って配分するほか、相続人全員で遺産分割協議を行って法定相続分とは異なる割合で、配分を決めることもできます。
司法書士は公平中立の立場で助言等を行います。
ただし、司法書士は弁護士法第72条の法律事件の代理、仲裁、和解をすることができないため、相続人間で紛争が起こった場合には、弁護士に別途依頼することとなります。
④遺産の通知・確認
遺産目録を作成し、相続人全員に不利益のないよう、相続人全員に通知します。必要がある場合には財産の中身について説明します。
⑤相続債務を差し引いた清算書を作成
被相続人の医療費や固定資産税などを建て替えていた相続人がいる場合には、それらを差し引いて遺産分割が出来るように明細や領収書をまとめ、清算書を作成します。
⑥遺産の配分
依頼者が清算書を確認した上で清算内容に問題がなければ、相続人全員に遺産を配分して全ての業務が終了となります。